2017年6月5日月曜日

ケトジェニック(糖質制限)は危険? その2

一部で言われているように、ケトジェニック(糖質制限)は本当に危険なのか。
今回は前回の続きで、実際に起こりうる危険性や、ケトジェニックを実施しない方が良い人について書いていきます。

◇ケトジェニック(糖質制限)の危険性

■危険性が全く無いとは言い切れない

ケトジェニックは、まだまだ研究途中のダイエット法です。

未知の危険性は否定できませんし、幾つかの問題は実際に指摘されています。
何事にもリスクは付き物ですが、注意をするに越したことはありません。




■可能性のある健康問題

では一般的に、糖質制限がどんな健康被害を引き起こす可能性があるのかを解説します。
(私も勉強中なので、この他にもあれば教えて頂ければ幸いです)

・尿酸値の上昇(痛風)

『糖質制限を試したら尿酸値が急上昇した!』
という話は、時折見かけます。

実際、スーパー糖質制限(糖質20g以下/日)を始めてから6週間は、痛風のリスクが一時的に上昇する可能性があるそうです。
しかし、調べた範囲では、6週間を超えるとそのリスクは減少していき、元に戻ったり、元の数値より下がる場合もあるらしいので……。

これはおそらく、肥満や暴食が痛風の原因になる事、そして糖質制限をすると体脂肪が下がる事が影響しているのでは無いかと考えています。
なぜなら、痛風を避けるための方法としてよく言われているのは次のような内容だからです。
  • 砂糖を減らす
  • アルコールを減らす(特にビールなどの炭酸系)
  • 肥満を解消する
つまり、糖質制限によって上昇する尿酸値より、改善されることによる尿酸値の低下のほうが大きいのではないかと。

 ただし、平均体重以下の場合と肥満の場合の対比データが見つからなかったので、平均体重以下の人がスーパー糖質制限を続けた時にどうなるかは、今ひとつはっきりしません

こう言った点からも、痩せている人が無理なダイエットの為に極端な糖質制限を行うのはやめたほうが良いと思います。

一部では、「糖質制限は高タンパクの食事をするから尿酸値の上昇を招く」とも言われています。
が、前回の記事にあるとおり、『糖質制限はタンパク質をとにかく摂らなければ』というのは誤解です。
なので、この点については割愛させていただきます。

・コレステロール値の上昇

通常、糖質制限におけるコレステロールの上昇はHDL(善玉)コレステロールが僅かに上昇する程度だと考えられています。
殆どの人の場合、LDL(悪玉)コレステロールは上昇しても極わずかなので問題ありません。

しかし、一部の人々(人口の1~2%と予想される)は、正常値を超えるほどにLDLが上昇してしまう可能性があるようです。

これらの一部の人々が糖質制限を行う場合、通常の糖質制限の手順に加え、更なる調整が必要になります。
具体的には、空腹時以外は食事をしない、断続的な断食をする、摂取する脂質のうち、不飽和脂肪の割合を増やすなどです。
これを実行するためにはかなり専門的な知識が必要になりますし、そこまでしても改善しない場合もあります。

自信がない、改善しない場合、糖質制限は体質に合わない諦めたほうが良いでしょう。

■糖質制限を行えない・注意すべき人

体質や身体の状態から、そもそも糖質制限を行えない、もしくは始めるにあたって注意が必要な人々もいるようです。

・妊娠中や授乳中の女性

赤ちゃんのために、避けるべきです。

・血糖値を下げる薬(インシュリン等)を使用中の場合

薬を使って血糖値をコントロールしてりる糖尿病患者さんは注意が必要なようです。
なぜなら、食事から得る糖質量が極端に減るため、薬が効きすぎて低血糖になる恐れがあるからです。

お医者さんに相談できれば良いのですが、日本ではケトジェニックがまだまだ一般的ではないので、場合によっては止められるかもしれません。

・高血圧の薬を服用している場合

健康になりすぎて、低血圧を引き起こす可能性があります。
最初は大丈夫でも、長期的にケトダイエットを行っていると徐々に血圧が低下する事もあるそうです。
日常的に血圧をチェックし、下がりすぎた場合は病院で相談しましょう。

・体質

稀にですが、『脂質をエネルギーとして利用できない』 といったような、特殊な体質の人々もいるようです。
こういった場合は糖質を制限することが命の危険に繋がりかねません

■安全のために

はっきり言ってしまうと、ケトジェニックには様々な危険が付き纏うと思います。
その多くは、誤解や過信から来る物ですが、正しく実践するのが難しいのも事実。
少なくとも一部で言われているような、糖質さえ気をつければ何をいくら食べてもOK!』というようなお手軽なものではないと思います

そして、正しく実践する為に重要だと思うのは、しっかりと勉強する事、客観的なデータを得る事ではないでしょうか。

可能なら、定期的に内科で血液検査をし、コレステロールや尿酸値、その他の主要な項目をチェックしてもらうほうが良いと思います
それから、血糖値やケトン体量は自宅測定することもできます。

そういった客観的なデータからは、自分の体調についてはもちろん、正しく糖質制限を行えているかの情報も得られます。

最後に、これが何より重要な事です。
もし、少しでも体調に不安が出たら、すぐにお医者さんに相談しましょう!
健康や美容の為にダイエットするのに、体調を崩しては元も子もありませんから。

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